元介護士の著者が描く、新米介護士の葛藤と成長の物語。
第1回ハナショウブ小説賞 長編部門大賞受賞作!

『ハートレス・ケア』
著者:小原瑞樹(オハラミズキ)
定価:1,760円(本体1,600円+税)
発売日:2024年9月3日(火)
装丁:宮川和夫(宮川和夫事務所)
装画 :スカイエマ
四六版ソフトカバー
ISBN:978-4-434-34003-1
発行元:opsol株式会社
発売元:星雲社
電子版は、9月13日(火)より発売いたします。

 

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あらすじ

就職活動が難航し、やむなく有料老人ホームで介護士として働くことになった大石正人。介護の仕事に意義を見出せず退職を考えるも、今後の転職活動に支障が出ることを恐れ、せめて半年、その間だけの辛抱だと自分に言い聞かせている。
利用者に寄り添う優しい介護士になんてなれないし、なるつもりもない。人気のある職業に就いた友人の話を聞いては劣等感を抱き、今の自分を「負け組」だと卑下する日々が続く。
どうせ半年で辞めるのに。新しい業務を覚えながらもそう考えていた正人は、現場で働く職員たちの姿を見て、とある疑問を抱いた。どうして、この人たちは介護の仕事を選んだのだろうか――。

目次
CARE1 俺の仕事は○○
CARE2 介護職なんて底辺でしょ?
CARE3 尊厳の保持が私の使命
CARE4 人生に、彩りを添えて
CARE5 求める人が、いるのなら

著者:小原 瑞樹(X:@EIy3AUA6aAhaiYb
1991年生まれ。京都市出身。元介護士。2023年に「ハートレス・ケア」(旧題:Why do you care?)が第1回ハナショウブ小説賞長編部門大賞を受賞。

感想続々!!

深谷 守様(テレビ東京プロデューサー)
介護の現場はハードだと聞く。作業が物理的にも精神的にもハードであるだけではなく、人も足らなければ、給与も低い。典型的な「やりがい搾取」の職場だ。
最近はDXにより少しは楽になってきているようではある。しかしすべてをDXで省力化するこ
とはできない。どう頑張ってみたところで、最後は人手でなければならないところは残ってしま
う。その最後の砦として、ヘルパーは欠くことのできない大切な存在。
介護の世界はまだまだ発展途上だ。可能性だってある。この作品を読んで、介護の可能性、未来を信じたい気持ちになった。

 

C.S. 様(図書館関係者)
後期高齢者社会の日本では、切っても切れない福祉の仕事。
大変な仕事内容をこなし、本当に頭が下がります。
村上さん(登場人物)の利用者としての気持ちも痛いほど伝わりました。
仕事についても、介護についても考えさせられるお話でした。

 

フラノ様(レビュアー)
介護業界に興味を持っている人に勧めたい一冊。もしくは就職活動をする前の学生にもお
勧めしたい!
仕事を辞めたくなった時、自分のことを肯定できなくなった時、そういう時に安心して読める一冊だと思う。
この本を読んだら、たとえ自分の手に入った職が天職じゃなくても、気に入らなくても、それでも誠実に生きていれば、必ず報われるようなそんな気がしてきた!

 

広鰭 恵利子様(教育関係者)
そうだ、そうだよ。
誰だって。好き好んで介護されたいわけじゃない。自分のことは自分でやりたい。
当たり前だ。ましてや下の世話など、他人にやってもらいたい人なんていないだろう。
それでも、そうならざるをえない時がくるかもしれない。
介護する側の思いが正直で、胸に迫ってくる。
介護する側、される側、両方の思いがしみじみと伝わってくる作品だった。

 

森田洋子様(書店員)
転職活動に向けて辛抱しながらの介護士だけど真面目で真剣に向き合い、考える正人が素敵でした。
著者さんが元介護士ということもあってお話の中がリアリティに溢れていてとても分かりやすかったです。このご自身の経験をもとに創り出された物語をたくさんの方に理解してもらえるといいなぁと思います。読み出したらテンポよくて一気読み。